中野彰三 建築計画研究所
S.Nakano Atelier
垣迫胃腸クリニック
大分県大分市 2010.03.
JR大分駅南側における個人クリニックの計画である。北側前面には、4車線の広い幹線道路越しにJRの高架線を望むことができる。地域にひらかれたクリニックとなるよう、明るくオープンなイメージの空間を求められた。
1枚の紙を切り出して折り込むことで、筒状の空間を作り出したいと考えた。南北に長い敷地の特性を活かし、建物が密集する条件に影響されないよう、開放された妻側から外光をたっぷり取り入れるとともに、自然通風にも配慮した室内環境づくりに心がけている。
待合はゆったりとリラックスできる明るく気持ちのよい空間とし、特に北側前面をガラス張りとすることで外部空間とつながり、視界は新しく変わりゆく街並へとひらかれる。外部からの視線は、スリット入りカッティングシートを貼ることで緩やかにさえぎった。
廊下を経由して各個室までストレッチャーを移動するため、比較的広い動線となることを利用し、様々な場に自然光を取り入れることで患者への心理的な圧迫感を緩和している。診療に関わるスペースは動作や機能を優先しながらも空間にゆとりを持たせた。また、診療側のスペースを2階に独立して設け、個別の休憩だけでなく、ミーティングや時間外の談話スペースともなる空間としている。
外観は、清潔感を感じられるよう、メタリックな金属板スパンドレル張りとし、突き出した壁の先端をシャープに見せる工夫をしている。大きく張り出した庇は、来院者の雨がかりをよけるとともに、クリニックの顔としての印象を持たせている。
建築概要
敷地面積: 658.90㎡
建築面積: 349.06㎡
延べ面積: 439.03㎡
階 数: 地上2階
最高高さ: 7,250mm
天井高さ: 2,750mm、4,000mm(待合)
主スパン: 4,200mm×12,000mm
構 造: S造