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高麗川の家

埼玉県日高市 2010.04.

 曼珠沙華の名所を持つ高麗川にほど近く、茶畑の中に一軒家として建つ住宅である。広い敷地ではあるが、ご子息専用の1階LDKにつながるワークルームと 2階へ主寝室に隣接する個室を設けることとなった。

 切り抜いた1つの展開平面を折りこんでシェルを構成し、軽快な板金による外郭とした。入れ子状のシェルは、立体的に囲いこみ、個々の空間に奥性を持たせている。仕上材の素材感を活かせるように考慮し、木部も空間に合わせて露出させることで、居室に温もりが宿ることを期待した。外部の木部保護塗装は、地場産である西川材の肌理細かい風合いを活かしつつ、人体にも優しい塗料を選択した。自然体で生活することの多い住まい手の生活様式に合うものとなったと感じている。

 2階では、長軸方向の間仕切り欄間を透明ガラスとすることにより、ハイサイドライトからの自然光をすべての居室に届くようにした。また、空間が視覚的にも一体となることで、家族間の意識的つながりが保たれている。階段上部開口からは自然採光だけでなく、ソーラーコレクターとして熱を貯め、暖気をファンによりリビングに循環するようにした。夏期は妻側スリット開口より熱気を排出し、居住空間を快適に保つバッファゾーンとした。軒の深さが採光調整に効果的に働いている。

建築概要

敷地面積: 500㎡

建築面積:  81.9㎡

延べ面積: 136.3㎡

階    数: 地上2階

家族構成: 夫婦、子供2人

構   造: 木造

 

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